暑くて寝苦しいせいか、たびたび目が覚める。
2度目は嫁と別れる夢を見て、かなしくなった。もちろんのこと、俺が引導を渡されるのである。理由は分からない。外へ出て行く前に話し合っている嫁は化粧をしていて、それを見て、それまで淡々としていた私の心が揺れ、自然に涙がこぼれた。
眠れず起き上がっていたら、これからの仕事がひどく不安になってきた。必然性がほとんど感じられず、否定的な感情が沸いてくる。ただの便利屋で、がんばったって感謝されないのではないか。
上司は、奴にとりこまれて、いちいち俺のことを印象悪く考えているのではないか。もう一人のメンバーは、非常に上司の受けがいい。モチベーションが上がっているせいか、自信にあふれており、活躍している感じだ。それ自体はいいことだと思う。ただ、彼がどれだけ活躍しても奴にとっては脅威ではない。彼の職位や経歴からして競争相手ではないからだ。むしろ、活躍してくれることで奴にとって便利に動いてもらえる。そこに思い至ると、つまりは俺だけが妙に上司に悪い印象を持たれている状況に気づいた。どうも胸騒ぎがする。奴が上司と接している時間は長い。単身赴任同士なので夕食を一緒に摂っていたりする。すでに上司が洗脳されているのではないか。
こうして書いていても、俺がおかしいとしか見えないかも知れない。実際にあとからみて確認できることも考慮して、あえて記録している。
ただ今の俺の「冷静な」認識としては、奴はひどく巧妙に、人を貶め、自分を相対的に高める。正直にいうと、メンバーの中でいちばん真剣に本質的な仕事のことを考えているのは俺だと思っている。ていうか、実際に俺しかアイデア出していないし、奴なんぞだんまりだ。にも関わらず、上司は俺を責める。奴にはほとんど何も言わない。俺はとても不満である。苦労している人間をなぜ責める。そして目の前の雑用に没頭している「ふり」をしている奴のことばかりを評価しているように思えてならない。分担を決めるといって、なかなか決まらず、上司は「お前は何が得意なんだ」と俺に詰め寄った。得意なことなんぞ、ない。あんたの見通しで必要な能力・経歴は俺にはない。だからなんでも一生懸命やるしかない。
上司は、コミュニケーションが重要だって強調する。なにがコミュニケーションだ。奴の考えばかりに乗せられているではないか。俺が何を考え、感じているのか、まったく理解していないとしか思えない。俺からすれば、奴の都合のいい世界観に染められているだけだ。奴に都合のいい世界観…すなわち、俺が不利になる世界観。
被害妄想だって思うだろ?だから俺も気づくのに時間がかかった。でもほんとうだ。あとから考えてようやく気づいたのだ。当初、もっと露骨にやられていた。奴は俺のことをほんとに無能だとなめていたのだ。だがそうでもなくて、結果として自分が仕事上の実力で負けそうになることが判明すると、もっとしたたかになった。
露骨な例は、メンバーが顔合わせをして間もないころ、一人の上司が廊下を移動中に俺に話しかけてきた。世間話だ。そこへ、奴は、文字通り割り込んできた。話の内容も無理矢理自分に奪い取っている上、実際に横に並んでいる二人の間に割り込んできた。雑用はすべて俺に押し付ける。「その方が君にとって楽だと思って」とかなんとか、相手のためを思って、みたいな言い方をする。けして自分のエゴではない、みたいな、一言では反論しにくい、気持ちの悪い言い方をしてくる。こんなつまらないことばかりでなく、もっと重要な大きなこともある。
ネガティブなことを書くとますますネガティブになるので、なるべく書かないよう、建設的な整理にしようと努めているのだが(だいたい、みっともないしね)、やっぱり書いてしまった。記録的な意味合いで。気持ちの整理が目的ではない。気持ちはぜんぜん建設的になっていない。めずらしいぐらい。誰にも伝えにくくて、気持ちを分かってもらえず、つらい。
俺がまちがっていた、ということになれば、むしろ幸いだと思っている。
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